
中学受験を考え始めた家庭がまず直面するのが、「私立中学って、実際いくらかかるの?」という疑問です。ガクリサでは東京の私立中学の納入金を公式募集要項ベースで収集しています。今回は初年度の学費を算出できた177校のデータから、全体像を整理します。
初年度納入金(入学金+授業料+施設費等。制服・教材などの諸費は含みません)を177校で並べると、中央値はほぼ100万円。分布の幅は約66万円から約154万円まで、およそ2.3倍の開きがあります。
ガクリサ調べ(公式募集要項ベース・2026年7月時点)で、初年度納入金が高い学校を挙げると次のようになります。
いっぽう、最も手頃な層は60万円台後半〜70万円台。伝統的な女子校や、堅実な教育方針を掲げる学校が多い価格帯です。
初年度納入金は、おおむね3つの要素でできています。
ひとつめは入学金。20〜30万円台が中心で、入学時に一度だけ納めます。ふたつめは授業料。年額45〜60万円前後が多く、これが毎年続きます。みっつめが施設費・教育充実費などの名目の費用です。学校によって呼び方も金額もばらつきが大きく、ここが学校間の差を生む主因になっています。
つまり「初年度が高い学校」には、(1)施設や探究プログラムに投資している学校、(2)大学までの一貫教育に接続する付属校、という2つの傾向が読み取れます。高いことは悪いことではなく、何に対する対価なのかを募集要項で確かめることが大切です。
なお、制服・体操着・ICT端末・研修旅行の積立などは上記に含まれないことが多く、実際の「初年度に用意するお金」は納入金+20〜30万円程度を見込んでおくと安心です。
見落とされがちな重要ポイントがあります。高校には国の就学支援金制度があり、私立高校でも授業料負担が大きく軽減されますが、中学は義務教育のため、この制度の対象外です。私立中学の授業料は原則として全額自己負担になります。
東京都には私立中学の授業料負担を軽減する独自の助成制度がありますが、金額や条件は年度によって見直されるため、受験を検討する際は必ず東京都の公式情報で最新の内容を確認してください。
このため、同じ「私立」でも中学と高校では家計へのインパクトがまったく違います。中高6年間の総額で考えると、私立中学に進む選択は学費面では都立中高一貫校(授業料無償)との比較が現実的な論点になります。中学受験か高校受験かで迷っている場合は、中学受験と高校受験、どっちで入る?もあわせてどうぞ。
データを眺めていて感じるのは、学費の高さと校風は別物だということです。学費が高い学校にも自由な学校と面倒見の手厚い学校があり、手頃な学校にも規律を重んじる学校とのびのびした学校があります。
たとえば初年度最高額のドルトン東京学園は、定期テストを置かず探究中心で学ぶ、校風データでも突出して自由寄りの学校です。学費のランキングは「うちの家計で払えるか」のフィルタとしては有効ですが、その先の「わが子に合うか」は校風のデータで確かめる必要があります。
ガクリサでは、東京の私立中学それぞれの学費と校風6軸を学校ページでまとめて見られます。地図から探すか、学校一覧から気になる学校を開いて、「学費」と「相性」の両方を確かめてみてください。
※学費データはガクリサ調べ(各校公式の募集要項・2026年7月時点)。金額は年度により改定されます。出願前に必ず各校の最新の募集要項をご確認ください。