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都立中高一貫校とは? — 10校の校風と適性検査をデータで比較

ガクリサ編集部2026.07.17 ・ 読了 約8

「都立の中高一貫校に興味があるけれど、10校の違いがよく分からない」——そんな声をよく聞きます。都立の中高一貫校は東京に10校あり、いずれも授業料が無償でありながら、大学進学を強く意識した6年間を送れることで人気を集めています。ただ、10校はどれも同じではありません。校則の緩さも、行事の熱量も、面倒見の濃さも、学校ごとにはっきり違います。

この記事では、都立中高一貫の仕組みと「適性検査」という独特の入試を整理したうえで、10校の校風をガクリサのデータ(公開情報ベース・2026年7月時点)で見比べていきます。数字はすべて学校を見比べるための目安であり、優劣を示すものではありません。

都立中高一貫校の仕組み — 「中等教育学校」5校と「併設型」5校

都立中高一貫校は、大きく2つのタイプに分かれます。

ひとつは中等教育学校で、中学3年・高校3年を切れ目のない6年制として運営する学校です。もともと高校からの募集を持たない、完全な一貫校です。次の5校がこれにあたります。

もうひとつは併設型で、もとは同じ敷地に都立高校があり、その附属中学として設けられた学校です。かつては高校からも入学できましたが、現在はいずれも高校募集を停止済みで、実質的に6年一貫となっています。次の5校です。

大切なのは、この10校はどちらのタイプも、いまは高校からは入れないという点です。志望するなら小学6年時の中学受験が唯一の入口になります。「高校でまた挑戦すればいい」という考え方が通用しないぶん、受験のタイミングを逃さないことが重要になります。

入試は「適性検査」— 教科のテストではない

都立中高一貫校の入試は、私立中学のような教科ごとの学力試験ではなく、適性検査と呼ばれる独特の形式で行われます。国語・算数・理科・社会といった科目名で問題が並ぶのではなく、複数の資料やグラフを読み解いて考えを記述したり、長めの作文で自分の意見をまとめたりする問題が中心です。教科の知識そのものよりも、読み取る力・考える力・書く力を横断的に見るのが特徴といえます。

学校ごとに色もあります。たとえば桜修館は作文を重く見る出題で知られ、限られた時間で筋の通った文章を書ききる力が問われます。同じ「適性検査」でも、学校によって求められる資質の重心は少しずつ違うのです。

ここで注意したいのが偏差値の読み方です。都立中高一貫校でよく目にする偏差値は、「四谷80(適性検査型)」という適性検査専用のものさしで示されています。たとえば小石川が66、両国が61、立川国際南多摩が57前後(いずれもガクリサ掲載値)という具合です。これは高校受験の偏差値とも、私立中学の一般的な偏差値とも別のスケールで、同じ数字でも直接は比べられません。「57だから高校受験の57と同じくらい」と読み替えないよう気をつけてください。

10校の校風をデータで比べる

ガクリサでは各校の校風を6つの軸で0〜100の数値にしています。数値は軸名の左右の言葉で読み、たとえば「自由↔規律が18」なら自由寄り、「76」なら規律寄り、50前後なら中間、と考えてください。ここでは10校の差がはっきり出る対比をいくつか取り上げます。

共通点:どの校も「勉強ガチ」寄り。 まず10校に共通するのは、のびのび↔勉強ガチの軸がそろって高いことです。小石川白鷗両国が80、武蔵が78、三鷹が76と、いずれも勉強ガチ寄りに振れています。授業料が無償でも、6年間を大学進学に向けて設計している点は10校に共通した性格だといえます。

自由か、規律か。 一方で、校則や指導のスタイルは大きく分かれます。自由↔規律の軸で見ると、小石川は18で10校のなかで最も自由寄り、大泉が38、両国が40とこれも自由寄りです。反対に白鷗は76、三鷹は72と規律寄りに位置します。「都立中は自由」と一括りにせず、この幅を知っておくと選びやすくなります。

面倒見は濃いか、薄いか。 自分次第↔手厚い管理の軸も対照的です。白鷗が78、立川国際が70と、補習や面談など学校が手厚く関わる側に寄る一方、南多摩は35、小石川は38と、学び方を本人に委ねる自分次第寄りです。同じ進学志向でも、「引っ張ってもらいたい」のか「自分のペースで進めたい」のかで、合う学校は変わってきます。

行事の熱量、部活の色。 行事派手↔落ち着きの軸では、小石川が10と、行事が非常に盛り上がる側の極に近い位置にあります。文化系↔体育会系では、白鷗が25と文化系寄りで、伝統文化を大切にする校風がうかがえます。対して富士は58、三鷹は56とやや体育会系寄りです。

こうして並べると、「都立中高一貫」というひとくくりの中に、自由でにぎやかな学校も、規律正しく面倒見の手厚い学校も両方あることが分かります。偏差値だけで並べていたら見えてこない違いです。

学費 — 授業料は無償、ただし「無料」ではない

都立中高一貫校は義務教育である中学の3年間、授業料がかかりません。国立中学も同様です。ここは私立中学とのいちばん大きな違いで、経済的な負担を抑えながら一貫教育を受けられることが、都立中人気の大きな理由になっています。

比較のために私立中学を見ると、初年度に納める金額(入学金・施設費・授業料などを含む初年度納入金)を公表している54校で集計した平均は約99万円(平均989,966円・中央値989,500円/ガクリサ調べ)でした。初年度でこれだけの差が出るわけです。

ただし「授業料無償=完全に無料」ではありません。都立中でも、制服・教材費・修学旅行の積立・給食費・PTA会費といった学校徴収金は別途かかります。私立の初年度納入金とは含まれる項目が違うため、「約99万円がまるまる浮く」と単純に読み替えるのは正確ではありません。それでも、6年間のトータルで見れば負担がかなり軽くなるのは確かです。

見学会・説明会で確かめる

数値はあくまで学校選びの入口です。自由寄り・規律寄りといった傾向がつかめたら、あとは実際の空気を自分の目で確かめるのがいちばんです。

ガクリサでは、各校の詳細ページに見学会・説明会・文化祭のカレンダーを載せています。気になった学校のページ——たとえば小石川桜修館白鷗——を開けば、公開されている日程を確認できます。適性検査は学校ごとに問題の色が違うぶん、説明会で出題方針や6年間の学びの説明を直接聞いておく価値は大きいはずです。まずは10校のなかから、校風の合いそうな学校を2〜3校しぼって、足を運んでみてください。

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